マッカラン12年シェリーオーク:日本流通版旧ボトルのジェネレーション判別法

マッカラン12年シェリーオーク:日本流通版旧ボトルのジェネレーション判別法

【決定版】輸入者ラベルで辿るマッカラン12年シェリーオーク「5つの世代」

 世界中の愛好家を魅了してやまない『マッカラン 12年 シェリーオーク』。特に2000年代を境にボトルデザインが一新されていますが、同時に原酒のクオリティやキャラクターも大きく変わりました。マッカランは年を追うごとに原酒のキャラクターが穏やか(あるいは薄く)になる傾向があり、愛好家の間では生産が「1年でも古いマッカラン」を求める動きが加速しています。しかし、2000年代以降のデザインは一見すると非常に似通っており、正確な流通時期を見極めるのは容易ではありません。そこで、日本国内で正規流通した個体に限り、背面ラベルの「輸入者(サントリー)の社名表記」と「微細な意匠差」から年代を特定する、極めて確実な5世代判別法をご紹介します。

【第1世代】2002年頃 〜 2004年頃流通:旧世代の始まり

  • 輸入者表記: サントリー株式会社
  • 特筆すべき意匠: 
  1. 表面ラベル下部に、筆記体の表記(Sherry Oak)がある。
  2. 背面ラベルに「12」のウォーターマーク(透かし)がある。
  • 解説: 2000年代に現行デザインへ移行した直後の初期モデルです。社名が旧社名の「サントリー株式会社」であることに加え、細部に90年代の名残を感じさせる贅沢な仕様が施されています。2000年以降に流通していたマッカラン12年シェリーオーク全5世代の中で最も原酒が濃くてリッチだった時代の「お宝」ボトルです。

【第2世代】2004年頃 〜 2006年頃流通:旧モデルの過渡期

  • 輸入者表記: サントリー株式会社
  • 特筆すべき意匠:
  1. 表面ラベルの筆記体の表記(Sherry Oak)は維持。
  2. 表面「12」のウォーターマーク(透かし)が消失。
  • 解説: 社名は引き続き「サントリー株式会社」ですが、表面「12」のウォーターマーク(透かし)が消失する短い間に生産されたモデルです。第1世代ほどではないものの、依然として濃くてリッチ原酒が使用されており、現行品とは一線を画す重厚なシェリー感を楽しめる世代です。

【第3世代】2006年頃 〜 2009年3月頃流通:最後のサントリー株式会社表記

  • 輸入者表記: サントリー株式会社
  • 特筆すべき意匠:
  1. 表面ラベルの筆記体の表記(Sherry Oak)が消失。
  2. 表面「12」のウォーターマーク(透かし)も消失。
  • 解説: 社名は引き続き「サントリー株式会社」ですが、ラベルの装飾が簡略化された時期です。第2世代と比べると少し風味が薄くなったと感じることもありますが、依然として現行品に比べると非常に濃くてリッチな原酒が使用されており、まだまだ重厚なシェリー感を楽しめる世代です。

【第4世代】2009年4月頃 〜 2014年12月頃流通:サントリー酒類(株)表記の始まり

  • 輸入者表記: サントリー酒類(株)
  • 解説: 2009年4月1日の持株会社制への移行(サントリーホールディングス設立)に伴い、国内の酒類事業は「サントリー酒類株式会社」へと引き継がれました。これに合わせてラベルの輸入者表記も変更されています。この社名表記こそが、2010年代前半頃に生産されたボトルであることを証明する鍵となります。この頃になると第3世代よりも更に風味が軽やか(または軽く)に感じやすくなりますが、まだまだ重厚なシェリー感を楽しめる世代です。

【第5世代】2015年1月 〜 2017年頃流通:最後の旧モデル、サントリースピリッツ(株)表記の始まり

  • 輸入者表記:サントリースピリッツ(株)
  • 解説:2015年1月1日付の組織再編により、ウイスキーを含む蒸溜酒部門は「サントリースピリッツ株式会社」へと名称変更されました。現在市場で広く見かけるボトルの多くはこの表記になっています。この頃からはかなり風味が軽やか(または軽く)に感じやすくなりますが、これでも現行品よりはエレガントで濃いシェリー感を楽しめられます。

まとめと留意点

  • 日本国内には並行輸入品や、他のインポーター(輸入業者)を経由した2次流通品も存在するため、すべての旧マッカランがこの法則に当てはまるわけではありません。しかし、サントリーによって正規輸入された個体については、この「社名変遷 × 意匠差」を辿ることで、ほぼ正確なボトリング時期を推定することが可能です。「1年でも古く、よりリッチだった時代のシェリーオーク」を探し出すための、強力な指針としてご活用ください。個人的には第4世代までをお勧めしたいです。
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