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伊勢崎 満 作 備前赤絵 ぐいのみ 備前焼 岡山県重要無形文化財 #169
伊勢崎 満 作 備前赤絵 ぐいのみ 備前焼 岡山県重要無形文化財 #169
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伊勢崎満(1934-2011)氏は、戦後備前の復興を牽引した名工・伊勢崎陽山氏の長男であり、岡山県指定重要無形文化財保持者です。生涯を通じて中世古備前の研究に尽力した氏は、伝統備前界の精神的支柱とも言える存在でした。
本作品の箱には、署名に「満」、烙印に「陽山」の印が見られます。満氏は生涯を通じて「陽山窯」の当主として、父の遺したこの名門の窯印を自身のスタンダードとして使い続けました。それは、名工の血筋を引くことへの誇りと、伊勢崎家の正統なる品質を保証する証でもあります。
特筆すべきは、本作品が氏のキャリアの後半、特に芸術的感性が極まった1990年代から晩年の2000年代にかけて制作されたと推測される「備前赤絵」の逸品であることです。釉薬を用いないストイックな備前の美学を極めた巨匠が、その円熟期において、あえて「色彩」という現代的な挑戦を選んだ事実は重要です。備前土特有の鉄分と上絵具の定着という技術的困難を、数十年かけて磨き上げた焼成技術によって克服し、土の重厚さと鮮烈な赤の対比を見事に完成させました。
伝統的な茶褐色の備前の中に、現代的な緊張感が宿る本作は、名門の看板を守りつつも、時代を超越する感性を持ち続けた伊勢崎満氏の「到達点」と言えるでしょう。学術的・芸術的評価を確立した巨匠による、資料的価値も極めて高い至高の逸品です。
- 作者:伊勢崎 満(いせざき みつる、1934-2011)
- 作者の代表的な活動歴:[1961年] 岡山県展山陽新聞社賞を受賞、[1966年] 日本伝統工芸展初入選、[1972年] 中日国際陶芸展大賞受賞、[1973年] 日本陶磁協会賞受賞、[1984年] 岡山県文化奨励賞受章、[1994年] 山陽文化賞受賞、[1998年] 備前焼製作技術の保持者として岡山県重要無形文化財に認定
- 作品収蔵:東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館(英国)、大英博物館、など
- 制作年代:1990年代~2000年代(推定)
- 状態:非常に良い(欠けなし、割れなし)
- 付属品:専用木箱、包布
- 材質:陶器
- 寸法:高さ約 6cm、口径約 5.5cm
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