現川焼 十三代 横石臥牛 みぞれ 刷毛(みぞれ はけめ) ロックグラス #184
現川焼 十三代 横石臥牛 みぞれ 刷毛(みぞれ はけめ) ロックグラス #184
十三代横石臥牛(本名:横石宏美、1925年〜2016年)は、長崎県指定無形文化財現川焼の保持者であり、江戸時代中期にわずか50年ほどで途絶えた幻の陶器、現川焼を現代に再興させた中興の祖です。現川焼は西の至宝と称されながらも約200年にわたりその技法が失われていましたが、横石家が代々研究を重ね、十三代においてその芸術性を極致へと高めました。氏はその卓越した功績により紫綬褒章や勲四等旭日小綬章を受章しており、作品は九州陶磁文化館や長崎県美術館に収蔵されるほか、国内外の皇室や王室への献上品としても数多く選ばれています。
本作品に施されたみぞれ刷毛目(みぞれはけめ)は、十三代臥牛の代名詞とも言える最も繊細な技法です。現川焼の核心は、鉄分を多く含む褐色の陶土を磁器のように薄く焼き上げ、その上に白い化粧土を刷毛で塗る点にありますが、本作品では特に空から舞い落ちる霙を連想させる極めて細密な刷毛の動きが表現されています。鉄分の多い土と化粧土は焼成時の収縮率が異なるため、極限まで薄く成形された器において文様を剥がれなく定着させるには、作家が長年の修練で辿り着いた高度な火の制御と精緻な手業が不可欠です。
当店ではこの歴史的な筒杯を、オールドウイスキーや希少なスピリッツを愉しむための特別な酒器として提案いたします。鉄色を帯びた素地の深い色合いと、純白の刷毛目が織りなす静謐なコントラストは、琥珀色の液体を注ぐことで視覚的な深みを増し、五感を通じて日本の伝統美に触れる体験を提供します。薄造りの口当たりは酒の繊細な風味をダイレクトに伝え、器の中に描かれた霙のような意匠が液体を通して揺らめく様子は、まさに日本の伝統的な美学を掌で味わう贅沢な体験となります。2016年に惜しまれつつ没した名工の手による、現川焼の再興と進化を象徴する全盛期の希少な逸品です。
- 作者:十三代 横石臥牛(よこいし がぎゅう、1925~2016)
- 作者の代表的な活動歴:1975年 長崎県指定無形文化財保持者に認定、1982年 日本陶磁協会賞受賞、1987年 紫綬褒章受章、1995年 勲四等旭日小綬章受章。
- 作品収蔵実績:九州陶磁文化館、長崎県美術館、他。
- 制作年代:1990年代~2000年代(作家全盛期の円熟期)
- 状態:非常に良い(欠けなし、割れなし)
- 付属品:なし
- 材質:陶器(現川焼・刷毛目)
- 寸法:高さ 約 7 cm、口径 約 5 cm
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