人間国宝 五代 伊藤 赤水 作 佐渡 無名異焼 窯変 ぐい呑み 1点 #186
人間国宝 五代 伊藤 赤水 作 佐渡 無名異焼 窯変 ぐい呑み 1点 #186
五代 伊藤赤水(1941年-)は、2003年に重要無形文化財「無名異焼」の保持者として、佐渡島から初めて人間国宝に認定された日本陶芸界を代表する巨匠です。氏は、幕末より続く名門赤水窯の伝統を継承しつつ、独自の窯変技法を確立することで、無名異焼の芸術的地位を国際的に不動のものとしました。その卓越した技法は、ニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのビクトリア&アルバート美術館をはじめとする世界各国の主要美術館に永久収蔵されており、人類が保存すべき文化遺産として公的に認められています。
本作に用いられている無名異焼は、佐渡金山周辺から産出する酸化鉄を豊富に含んだ赤い粘土を原料としています。この粘土は非常に粒子が細かく、焼成時に約30パーセントという極めて高い収縮率を示すため、乾燥や焼成の過程で割れや歪みが生じやすく、完成に至るまでには名工の極めて緻密な計算と熟練した技術を要します。本作の意匠は一切の釉薬を施さない焼締でありながら、焼成時の炎の性質を極限まで制御することで、赤土の一部を深い漆黒へと変化させた窯変の極致を示しています。この作為を超えた炎の痕跡は、佐渡の峻烈な自然景観、あるいは岩肌を打つ波の飛沫を写し取ったものと評され、派手さを排した静謐な力強さを湛えています。
当店では、この人間国宝の手による唯一無二の器を、数十年の熟成を経て複雑な香りを纏った古酒やジャパニーズウイスキーを嗜むための至高の酒器として再定義いたします。無名異焼特有の硬質かつきめ細やかな肌触りと、赤と黒の劇的な対比は、名酒の琥珀色を視覚的に引き立て、静かな対話の時間をより精神的なものへと高める機能性を備えています。一切の装飾を削ぎ落とした先に現れる土と炎の対話は、日本のわびさびの美意識を体現しており、手にする者に静かな威厳を感じさせます。
- 作者: 五代 伊藤 赤水(いとう せきすい、1941- )
- 作者の代表的な活動歴: 佐渡島に伝わる「無名異焼」を芸術の域へと高め、2003年に重要無形文化財「無名異焼」保持者(人間国宝)に認定。 [1973年] 日本伝統工芸展 高松宮総裁賞受賞、 [2005年] 紫綬褒章受章、 [2011年] 旭日小綬章受章。
- 作品収蔵: 東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、メトロポリタン美術館、ビクトリア&アルバート美術館、スミソニアン美術館、他
- 制作年代: 2000年代〜2010年代(人間国宝認定後の円熟期) ※本作の「窯変」は、炎の制御のみで赤土を漆黒へと変化させ、佐渡の険しい海岸線を表現した五代赤水氏の代名詞的な意匠です。人間国宝に認定された2003年前後からさらに研ぎ澄まされた、作為を超えた自然の力強さと静寂が共鳴する、氏の表現の到達点を示す時期の作風です。
- 状態: 非常に良い(欠けなし、割れなし)
- 付属品: 共箱、栞
- 材質: 陶器(無名異焼・窯変)
- 寸法: 高さ 約 8.0 cm、口径 約 6.2 cm
- 注意: 当店が提供する商品は新品未使用であっても生産時期が大変古いものであり、すべて中古品として掲載しています。商品には経年によるダメージがある場合がありますので、ご理解及びご確認の上で購入をご検討ください。
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