常滑市無形文化財保持者 小西 洋平 作 朱泥練り上げ源心彩 酒器徳利・酒盃セット #249
常滑市無形文化財保持者 小西 洋平 作 朱泥練り上げ源心彩 酒器徳利・酒盃セット #249
現代常滑焼の極致に君臨し、2013年に常滑市指定無形文化財保持者に認定された現代の巨匠、小西洋平(こにし ようへい、1941- )氏による、朱泥練り上げ源心彩の酒器セットをご紹介いたします。小西氏は、1982年にフランスのバロリス国際陶芸ビエンナーレで銀賞を受賞し、イギリスのヴィクトリア&アルバート博物館やアメリカのフィラデルフィア美術館に作品が収蔵されるなど、その芸術性は世界的な評価を確立しています。本作は、氏が伝統的な常滑焼の技術を基盤としながら、独学で研鑽を重ねて昇華させた練り上げ技法と、手引ろくろによる精緻な造形美が融合した、1980年代から1990年代前半における円熟期の傑作です。
本作の最大の核心は、常滑焼の象徴である朱泥(しゅでい)をベースに、異なる色彩の粘土を幾重にも折り重ねて紋様を構築する練り上げ技法にあります。添付画像に見られる流麗な地層のような曲線は、表面に描かれたものではなく、粘土そのものの積層が器の肉厚を貫通して現れたものです。小西氏の練り上げは、単なる色の混合にとどまらず、土の収縮率を完璧に統御することで、数ミリ単位の微細なラインが交差する複雑な幾何学紋様を生み出します。この技法は、一つとして同じ紋様が生まれない一期一会の芸術であり、ヴィクトリア&アルバート博物館に同技法の作品が収蔵されている事実は、本作が有する普遍的な美術的価値を雄弁に物語っています。
造形面においては、無形文化財の認定理由でもある手引ろくろの超絶技巧が遺憾なく発揮されています。特に徳利の極限まで絞り込まれた首のラインと、酒盃に見られる薄造り(うすづくり)の仕上がりは、小西氏の独壇場とも言える領域です。指先の感覚のみで粘土を限界まで薄く引き上げる薄造りは、器に驚くべき軽さと口当たりの良さを与え、工芸における用の美を体現しています。また、源心彩と称される表面の彩りは、朱泥特有の落ち着いた赤褐色の中に深みのある陰影を宿しており、使い込むほどに艶を増し、所有者と共に成長していく常滑焼本来の魅力を備えています。
当店では、本来日本酒のために制作されたこの気品ある酒器を、熟成されたウイスキーやブランデーを愉しむための特別な道具として提案いたします。液体が器の内側に触れたとき、練り上げによる微細な土の紋様は液体越しにその輪郭を深め、琥珀色のスピリッツが持つ時間の重みと、地層を想起させる器の意匠が共鳴し合います。掌に収まる極薄の酒盃が伝える液体の温度と、小西洋平氏が一生を捧げて構築した土の律動は、単なる飲酒の時間を、人類の技術的極致と自然の調和を愛でる思索的なテイスティング体験へと昇華させるでしょう。
- 作者: 小西 洋平(こにし ようへい、1941- )
- 作者の代表的な活動歴: [1982年] フランス・バロリス国際陶芸ビエンナーレ銀賞受賞、[2013年] 常滑市指定無形文化財保持者に認定。日本工芸会正会員。
- 作品収蔵: ヴィクトリア&アルバート博物館(イギリス)、フィラデルフィア美術館(アメリカ)、愛知県立陶磁美術館、INAXライブミュージアム、他。
- 制作年代: 1980年代~1990年代前半
- 状態: 非常に良い(欠け、割れなし)
- 付属品: 共箱、栞、包布(2枚)
- 材質: 陶器(常滑焼・練り上げ)
- 寸法: 徳利 高さ 約 13.5 cm、口径 約 6.3 cm / 酒盃 高さ 約 6.0 cm、口径 約 6.0 cm
- 注意: 当店が提供する商品は新品未使用であっても生産時期が大変古いものであり、すべて中古品として掲載しています。商品には経年によるダメージがある場合がありますので、ご理解及びご確認の上で購入をご検討ください。
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