フランクフルト美術館収蔵作家 高原 昌治 作 備前酒呑 二大重要無形文化財保持者師事 登り窯自然釉溶融痕 ショットグラス #254
フランクフルト美術館収蔵作家 高原 昌治 作 備前酒呑 二大重要無形文化財保持者師事 登り窯自然釉溶融痕 ショットグラス #254
1941年(昭和16年)岡山県に生まれ、日本工芸会東中国支部展での1967年および1968年の2年連続「山陽新聞社賞」受賞、1971年の現代陶芸の最高峰「第1回日本陶芸展」入選という輝かしい実績を持ち、1987年には西ドイツ(当時)のフランクフルト美術館に作品が公的買い上げ・永久収蔵された経歴を持つ備前焼の名工、高原昌治(たかはら まさはる、1941-2000)氏による大変希少な酒呑(ぐい呑)をご紹介します。氏は59歳という若さで夭折された物故作家であり、市場への新たな作品供給が完全に絶たれているため、その作品は美術市場において年々希少性を高めています。当店では、この確かな歴史と格付けを持つ至高の日本の工芸作品を、歳月を重ねた琥珀色の古酒や、プレミアムなジャパニーズウイスキーをストレートでゆっくりと愉しむためのヴィンテージ・プレミアム酒器として世界へ提案いたします。
高原昌治氏の美術的価値の根幹は、タイプの異なる備前焼の最高峰の巨匠2名から直接技術を受け継いだという、極めて贅沢で正統な師系にあります。1958年(昭和33年)に岡山県重要無形文化財保持者である伊勢崎陽山(いせざき ようざん、1902-1961)氏に師事して緻密な陶彫・立体細工の造形感覚を身体に染み込ませ、次いで1962年(昭和37年)には同じく岡山県重要無形文化財保持者である石井不老氏(いしい ふろう、1899-1964)に師事し、不老氏の代名詞である卓越した轆轤(ロクロ)成型技術を徹底的に修得しました。この細工物の陽山による立体的な空間把握と、轆轤の不老による端正で迷いのない線が絶妙なバランスで融合している点こそが、高原氏の作品が専門家から最も高く評価されている理由です。
添付された作品画像を細部まで専門的に分析すると、二人の巨匠から受け継いだ超絶技巧と登り窯焼成のドラマが器の全面に明確に表れていることが確認できます。器の造形は、石井不老氏直伝の轆轤目が胴回りに美しく、かつ力強く残されており、掌に包み込んだ際に吸い付くようなしっとりとした厳選された田土の質感が伝わります。外見の景色は、一切の釉薬を使用せず、赤松の割木が放つ激しい炎と灰の対流のみによって生み出される備前伝統の本格的な窯変や桟切、緋襷のコントラストが極めて高い密度で表現されています。
特に注視すべきは、酒器の内側の意匠です。内側の底面付近に黒っぽく表面光沢を持った微小な点が数か所に確認できます。これは人工的な釉薬による汚れや欠陥ではなく、備前焼の登り窯内部において、1200度を超える極限の高温下で燃料である赤松の灰が完全にガラス化し、融液となって土肌にピンポイントで溶け落ちて焼き付いた「自然釉の溶融痕(専門的には黒ゴマスポット、またはビードロの初期溶融痕)」と呼ばれる本物の自然の景色です。釉薬を一切使わない引き算の美学である備前焼において、この光沢点は激しい炎の対流と窯内での作品の配置、そして極限の熱管理が行われた瞬間を生々しく伝える「炎の記憶」そのものであり、作品の鑑賞価値と格調をさらに引き上げる重要な見どころとなっています。
器の底面には、作家が自身の直作であることを証明するためにヘラで深く刻み込んだ「昌」の文字をデフォルメした高原氏固有の陶印が鮮明に確認できます。さらに、作家本人の直筆によって「備前酒呑 昌治」と流麗に墨書され、公式な朱印が捺された共箱、および当時の陶歴を記した栞が完全に揃った完品コンディションであることも、真作性と美術的価値を担保する決定的な物証です。2年連続の主要賞受賞という、名工として最もエネルギーに満ちあふれていた時代の息吹を今に伝える、世界に二つとない日本の伝統工芸の結晶を、極上の美酒を味わう日常の特等席で存分にご堪能ください。
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作者: 高原 昌治(たかはら まさはる、1941-2000)
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作者の代表的な活動歴: [1958年] 岡山県重要無形文化財保持者・伊勢崎陽山に師事、[1962年] 岡山県重要無形文化財保持者・石井不老に師事、日本工芸会東中国支部展入選、[1965年] 自身の登り窯を築き独立、[1967年・1968年] 日本工芸会東中国支部展にて山陽新聞社賞を2年連続受賞、[1971年] 第1回日本陶芸展入選、[1981年] 渡米し陶芸研究を展開、[1987年] 西ドイツ(当時)・フランクフルト美術館に作品公的買い上げ。
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作品収蔵: フランクフルト美術館(ドイツ)、他。
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制作年代: 1970年代前半(第1回日本陶芸展入選直後の最盛期・推定)
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状態: 非常に良い(欠けなし、割れなし、見込みに登り窯由来の自然釉溶融痕あり、表面に作品特性としての僅かな土の境界の開きあり)
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付属品: 共箱(作家直筆署名・落款入り)、包布、栞
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材質: 陶器(備前焼・窯変・桟切・緋襷・自然釉溶融痕)
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寸法: 高さ 約 6.3 cm、口径 約 6.0 cm
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