瀬戸市指定無形文化財保持者 初代 水野 双鶴 作 練込茶盌 ロックグラス #261
瀬戸市指定無形文化財保持者 初代 水野 双鶴 作 練込茶盌 ロックグラス #261
本作は、瀬戸市指定無形文化財保持者であり、瀬戸の地で途絶えかけていた伝統技法を現代芸術へと昇華させた巨匠、初代水野双鶴(みずの そうかく、1912年-1996年) による練込の茶盌です。高さ約10.5cm、口径約10.7cmという、一般的な茶盌に比べてやや深さのある独特のプロポーションを持つことから、当店ではこれを歳月を経て豊かな琥珀色へと変化した古酒やこだわりのウイスキーを大ぶりの氷と共にゆっくりと愉しむためのプレミアムなジャパニーズクラフトロックグラスとして提案いたします。美術品としての圧倒的な存在感と格調高さを備え、日本の茶道文化に深く根差した茶盌という器を、現代のラグジュアリーな酒の愉しみへと融合させる試みは、海外のコレクターや特別なゲストを至高の和でもてなすための贅沢な体験となるでしょう。
作者である初代水野双鶴は1912年に焼き物の街である愛知県瀬戸市に生まれ、近代工芸の先駆者である藤井達吉氏に師事し、伝統にとらわれない自由な芸術造形の薫陶を受けました。その作陶生涯において、日展への通算27回に及ぶ入選を果たしたほか、瀬戸陶芸展での最高賞3回受賞とのちの無鑑査指定、朝日陶芸展での知事賞2回受賞、全国陶芸展での東陶賞受賞、日本新工芸展での東海テレビ賞および功労賞の受賞、関西美術展をはじめとする多数の受賞など、国内の主要な舞台で輝かしい実績を重ねました。また、日本新工芸家連盟評議員などの要職も歴任して後進の育成や工芸界の発展にも寄与しています。1987年には長年にわたり伝統の練り込み技法を独自に研究・洗練させた功績が公的に認められ、瀬戸市指定工芸技術である陶芸練り込み技法の保持者に認定されました。1996年1月18日に享年84歳で逝去され、現在も同じく無形文化財保持者となった息子の水野教雄氏や、独自の感性で世界的な人気を誇る孫の水野智路氏へと受け継がれている名門、練り込み水野家の偉大なる開祖として、その卓越した技術の系譜を後世へと遺しました。市場にある作品はすべて新規供給のない貴重な遺作となっており、海外ではほとんど情報の入手が不可能な日本トップクラスの芸術として極めて高い希少性を持っています。
水野双鶴の陶芸において最も高く評価されている技法は、成分や発色の異なる複数の粘土を緻密に積み重ね、金太郎飴のようにどこを切っても美しい連続した文様が現れる練り込みの技法です。複数の粘土はそれぞれ乾燥スピードや焼成時の収縮率が異なるため、わずかな計算の狂いでも窯の中でひび割れや焼き裂けを引き起こしてしまうことから、極限の配合技術と厳格な温度管理が必要とされる最難関の技法です。本作を詳細に検証すると、これらの高度な技術と作家の生々しい感性が、器の全面に圧倒的な迫力で表現されていることが分かります。器の表面には、異なる色土が織りなす整然とした縞文様と流れるような地層を思わせる有機的な流紋がダイナミックに表現されており、冷徹なまでの計算美と手仕事の温かみを両立させています。練込技法ならではの特徴として、外側と内側で全く同じ位置に同じ文様が貫通して現れるため、お酒を注いで氷を浮かべた際には、器の内部に広がる幾何学的な層が美しく揺らめき、視覚的にも素晴らしい洗練を感じさせます。
本作の制作時期は、氏の生涯における作陶活動の足跡や物証から、1970年代後半から1980年代前半にかけての、無形文化財に認定される直前の最も技術が脂に乗っていた成熟期であると明確に推定されます。その最大の根拠は、共箱の署名に文化財保持者の肩書きが入っていない潔い直筆署名スタイルにあり、権威に頼らず作品そのもののクオリティで勝負していた実力派時代の様式を色濃く残しています。また、付属する栞に描かれた一対の黄色の鶴が向かい合うロゴマークのデザインは、氏が日本新工芸家連盟の評議員として日本のモダンクラフト界の表舞台で精力的に頭角を現していた1970年代末から1980年代前半の時代性と完全に一致します。土ごとの収縮率の違いから破綻をきたしやすく、若年期にはこれほど大ぶりで深いプロポーションを持つ器を歪みなく焼き上げることは不可能であり、本作に見られる整然とした縞文様とダイナミックな流紋の融合は、まさに1987年に最高栄誉である無形文化財の指定を勝ち取るに至る、その直接の評価対象となった最高峰の円熟技法がそのまま結晶した記念碑的な意匠特徴を示しています。
本作には、作家自らの確固たる作風を証明する物証が完璧に揃っています。器の底部には氏の真正の作であることを示す双鶴の陶印が刻まれており、大切に保管されてきたことを示す専用の共箱、包布、そして詳細な陶歴が記された栞がすべて付属しています。特に栞に施された自身の号にちなんだ一対の黄色の鶴の意匠からは、作家ならではの微笑ましい遊び心が表現されています。共箱の蓋表には練込 茶盌、蓋裏には双鶴の直筆による箱書きが据えられ、さらに2種類の落款(丸印)が完璧に押印されています。欠けや割れのない非常に良いコンディションを保った完品であり、海外では巡り合うことすら極めて困難な日本の至高のクラフトピースとして、揺るぎない資産価値を持つ一品です。
- 作者: 初代 水野 双鶴(みずの そうかく、1912年-1996年)
- 作者の代表的な活動歴:[1912年] 愛知県瀬戸市に生まれ、近代工芸の先駆者である藤井達吉に師事し、伝統にとらわれない自由な芸術造形の薫陶を受けます。その作陶生涯において、日展への通算27回に及ぶ入選を果たしたほか、瀬戸陶芸展での最高賞3回受賞とのちの無鑑査指定、朝日陶芸展での知事賞2回受賞、全国陶芸展での東陶賞受賞、日本新工芸展での東海テレビ赏および功労賞の受賞、関西美術展をはじめとする多数の受賞など、国内の主要な舞台で輝かしい実績を重ねました。また、日本新工芸家連盟評議員などの要職も歴任して後進の育成や工芸界の発展にも寄与しています。[1987年] 長年にわたり伝統の練り込み技法を独自に研究・洗練させた功績が公的に認められ、瀬戸市指定工芸技術 陶芸 練り込み技法 保持者に認定されました。[1996年] 1月18日に享年84歳で逝去され、現在も息子や孫へと受け継がれて世界的な注目を集める名門 練り込み水野家 の偉大なる開祖として、その卓越した技術の系譜を後世へと遺しました。
- 製作年代: 1970年代後半~1980年代前半(推定)
- 商品状態: 非常に良い(欠けなし、割れなし)
- 付属品: 専用共箱、包布、栞 あり
- 材質: 陶器(練込)
- 寸法: 高さ 約 10.5 cm、口径 約 10.7 cm
- 注意: 当店が提供する商品は新品未使用であっても生産時期が大変古いものであり、すべて中古品として掲載しています。商品には経年によるダメージがある場合がありますので、ご理解及びご確認の上で購入をご検討ください。
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