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日展評議員 金沢美術工芸大学初代教授 北出 塔次郎 作 色絵金彩幾何学文様蝶図 現代九谷焼最高峰の工芸 酒盃 二点組 #304

日展評議員 金沢美術工芸大学初代教授 北出 塔次郎 作 色絵金彩幾何学文様蝶図 現代九谷焼最高峰の工芸 酒盃 二点組 #304

通常価格 ¥80,000 JPY
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近代から現代にいたる九谷焼の歴史を大きく塗り替えた先駆的陶芸家であり、日本の芸術教育の発展を支えた偉大な指導者でもある北出塔次郎(きたで とうじろう、1898年-1968年)による、極めて格調高い酒盃二点組です。北出塔次郎は、明治31年(1898年)に兵庫県で生まれ、昭和43年(1968年)に没した昭和の現代九谷陶壇を代表する巨匠です。大正5年に関西大学法科を中退後、大阪美術学校で矢野橋村に師事して日本画の本質を学び、独自の卓越した絵画的センスを磨き上げました。

その作陶人生において最も決定的な転機となったのが、昭和11年(1936年)秋のことです。近代陶芸の巨匠であり後に色絵磁器の人間国宝となる富本憲吉(とみもと けんきち、1886-1963)氏を自らの北出陶房へと招聘し、寝食を共にして徹底的な作陶研究に打ち込みました。富本氏は塔次郎の妥協なき芸術精神に深く共鳴し、その窯を青泉窯と命名しました。富本氏が唱えた、古典の安易な模倣を排し、自然の写生から新たなモダンデザインを生み出すという「模様から模様を作らない」厳格なモダニズム思想は、以降の青泉窯における強烈なアイデンティティとなりました。この歴史的出来事を契機として、彼が遺した作品は個人名以上に、富本直系の高貴な芸術性と高度な技術を証明する「青泉窯の作」として共箱や目録に誇り高く記され、美術界において特別な権威を伴って流通することになります。

本作の酒盃は、北出塔次郎が最も高く評価されている上絵付け、彩泥、および金彩の高度な融合と、彼ならではのエキゾチックな抽象幾何学意匠が極めて明確に表れた名品です。器の前面には、重厚な黒色の上に高貴な金彩を重ねた蝶の図案が力強く描かれており、側面には金彩、赤、緑を巧みに配した鮮やかな色彩の幾何学模様が細密を極めた表現で張り巡らされています。伝統的な九谷焼の山水や花鳥といった旧来の装飾から完全に脱却し、ペルシャや中央アジアなどの古典文様から着想を得たモダンでエキゾチックな抽象幾何学文様を展開する手法は、塔次郎の真骨頂と言えます。さらに、磁器の平滑な表面を単なるキャンバスとして扱うのではなく、絵具の厚みや彩泥の独特な質感、金彩の雅な輝きを一枚の器の中に完璧に調和させています。それぞれの絵具や泥の異なる最適な焼成温度帯を見極め、素焼き、本焼き、そして幾度にも及ぶ上絵窯での多重焼成のプロセスを経ており、生半可な陶芸技術では到底到達できない、まさに計算し尽くされた超高難度の技法がこの小さな酒盃の中に凝縮されています。

昭和21年(1946年)の金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)の創立と同時に陶芸科教授に就任し、後に日展評議員などの美術界の要職に就くなど、教育者および公職としての職務に膨大な時間を割いていたため、生涯の純粋な制作数は非常に限定されています。また、大作や代表作の多くが東京国立近代美術館や石川県立美術館などの公立美術館に所蔵されているため、民間市場に流通する本物の名作は極めて少なく、歴史資料としての役割を果たすほどの圧倒的な希少価値を有しています。

当店では、この確かな美術史的権威と超絶技巧が息づく器を、現代の洗練されたライフスタイルに合わせ、日本の伝統美を手のひらで愉しむジャパニーズコウゲイの至高の酒器(ショットグラス)としてご提案いたします。特に、長い年月をかけて深いコクと芳醇な香りを纏った古酒や熟成酒を嗜む際に最適です。前面に施された黒と金の蝶の重厚な佇まい、オフィスそして側面の鮮烈な幾何学模様は、注がれた古酒の美しい琥珀色と見事に共鳴し、日常の晩酌を最高峰の立体アートを鑑賞する贅沢な時間へと昇華させます。

北出塔次郎が築き上げた青泉窯の高度なモダニズムと技術の遺伝子は、彼が育て上げた名だたる名工たちへと完璧に伝承されました。父の色彩感覚とモダニズムを正統に継承し金沢美術工芸大学の教授・学長を歴任した次男の北出不二雄(きたで ふじお、1921年-2014年)、独自の伝統技術を継承し日展を中心に活躍した三男の北出星光(きたで せいこう、本名: 北出 勇、1928-2011、そして塔次郎教授の熱心な勧めで工業デザインから陶芸へと転向し、後に日本芸術院賞を受賞して日本芸術院会員となった現代九谷焼の大巨匠・武腰敏昭(たけごし としあき、1940年-2021年)など、次世代の天才たちがその系譜を繋いでいます。伝統をアートへと進化させた歴史的奇跡の結晶であるこの至高的酒器は、日常の食卓に確かな品格と唯一無二の存在感をもたらす至高のモダンピースです。

  • 作者: 北出 塔次郎(きたで とうじろう、1898年-1968年)
  • 作者の代表的な活動歴: [1928年] 第9回帝展に初入選、[1946年] 金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)陶芸科教授に就任、[1959年] 日展評議員に就任
  • 作品収蔵実績: 東京国立近代美術館、石川県立美術館、金沢美術工芸大学美術工芸研究所、など
  • 製作年代: 1950年代〜1960年代半ば(北国文化賞授興後の円熟期)
  • 商品状態: 非常に良い(欠けなし、割れなし)
  • 付属品: 専用共箱、包布、栞 あり
  • 材質: 磁器(彩泥・金彩)
  • 寸法: 高さ 約 4.3 cm、口径 約 5.0 cm
  • 注意: 当店が提供する商品は新品未使用であっても生産時期が大変古いものであり、すべて中古品として掲載しています。商品には経年によるダメージがある場合がありますので、ご理解及びご確認の上で購入をご検討ください。

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