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人間国宝 重要無形文化財「白磁」保持者 有田 井上萬二窯 井上 萬二 作 白磁 水滴 ウォータードロッパー ウィスキードロッパー #384

人間国宝 重要無形文化財「白磁」保持者 有田 井上萬二窯 井上 萬二 作 白磁 水滴 ウォータードロッパー ウィスキードロッパー #384

通常価格 ¥68,000 JPY
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井上萬二(いのうえ まんじ、1929-2025)氏は、1995年に重要無形文化財「白磁」保持者(人間国宝)に認定された、佐賀県有田町出身の陶芸家です。染付や色絵による華やかな加飾が主流の有田焼にあって、氏は「焼物の良さは形にある」との信念のもと、ろくろ成形による白磁の造形美を生涯にわたり追求しました。柿右衛門窯での修業を経て、1952年頃にろくろの名手として知られた奥川忠右衛門氏に師事し、白磁とろくろの技法を学びました。1958年からは佐賀県立有田窯業試験場の技官として磁器の成形と釉薬の研究を重ね、1971年に井上萬二窯を開窯しています。

1979年には卓越した技能者(現代の名工)として労働大臣表彰を受けました。1987年の第34回日本伝統工芸展では「青白磁彫文鉢」で文部大臣賞を受賞し、同年、文部大臣賞作品が文化庁に買い上げられています。1990年には佐賀県重要無形文化財に指定され、1995年に国の重要無形文化財「白磁」保持者に認定されました。1997年に紫綬褒章、2003年に旭日中綬章を受章し、2005年には有田町名誉町民となっています。作品は東京国立博物館、東京国立近代美術館(国立工芸館)、愛知県美術館、佐賀県立九州陶磁文化館、東広島市立美術館などに収蔵されています。また1969年には佐賀県知事の命により米国ペンシルベニア州立大学へ派遣教授として赴き、のちにニューメキシコ州立大学でも作陶指導にあたるなど、国内外で後進の育成に力を注ぎました。2025年7月14日、96歳で逝去しています。

氏の白磁の最大の特徴は、絵付けを施さず、ろくろで引き上げた形そのもので美を表現する点にあります。氏は「白磁は色彩がないだけに、形を美しくつくらなければならない」と語り、「名陶無雑(よい焼き物には雑念がない)」を座右の銘としました。加飾に頼れない白磁では、わずかな歪みや厚みの偏りがそのまま作品の欠点として現れます。そのため氏は一点の歪みも許さない厳格な姿勢で制作にあたったことで知られています。代表作には白磁丸形壺、白磁渦文壺、鶴首花瓶などがあります。このほか、白磁の地に文様を彫って緑釉などを差す彫文の作品や、彫りのくぼみに釉が溜まって青みを帯びる青白磁の作品も手がけました。

本作は、彫文や色釉を一切用いない無地の白磁による水滴です。ふっくらと丸みを帯びた胴は、肩から裾にかけて途切れのない曲線で張っています。細く短い口は、胴の頂部から段差なく立ち上がります。肩の一方には円筒形の注口が付き、小さな器体のなかで胴の量感と口・注口の細さが対比をなしています。釉は艶やかで均一にかかり、照明の映り込みは胴の曲面に沿って滑らかに流れます。このことからも、面の歪みが少ない端正な成形がうかがえます。高台は低く整えられ、高台内には呉須による銘が記されています。丸く張った胴は、氏の代表作である丸形壺と共通する造形です。加飾を排し、形だけで作品を成立させるという氏の白磁の本質が、小品のなかに明確に表れています。共箱の蓋表には「白磁 水滴」、蓋裏には「井上萬二 作」の署名と朱印があります。

付属の栞には氏の陶歴が平成3年(1991年)まで記載されており、肩書は「佐賀県重要無形文化財指定」までにとどまっています。1995年の人間国宝認定の記載はありません。このことから、本作は1991年から1995年頃に制作されたものと考えられます。卓越したろくろの技が円熟し、国の重要無形文化財保持者の認定を目前にした時期の作品です。

水滴は本来、硯に水を注ぐための書道具です。当店では、古酒ウイスキーや洋酒にごく少量の水を加えるためのウォータードロッパーとして提案いたします。ウイスキーは少量の加水によって香りや味わいの印象が変わることが知られており、一滴単位で水量を調整できる水滴の構造はこの用途に適しています。使い方は、胴頂部の口から水を入れ、その口を指先で押さえたまま本体を傾けます。指を浮かせたり閉じたりして空気の出入りを加減することで、注口から落ちる水の量を調整できます。

2025年の氏の逝去により、新たな作品が生まれることはありません。人間国宝が生涯をかけて追求した白磁の造形を、古酒の一滴を整える道具として手元に置き、日常のなかで味わっていただける一品です。

  • 作者:井上萬二(いのうえ まんじ、1929-2025)
  • 作者の代表的な活動歴:[1929年] 佐賀県有田町に生まれる、[1945年] 柿右衛門窯で修業を始める、[1952年頃] 奥川忠右衛門氏に師事し白磁とろくろの技法を学ぶ、[1958年] 佐賀県立有田窯業試験場の技官となる、[1968年] 第15回日本伝統工芸展に初入選、[1969年] ペンシルベニア州立大学で作陶指導(1976年までに4回渡米)、[1971年] 井上萬二窯を開窯、[1977年] 全国伝統的工芸品展にて通商産業大臣賞を受賞、[1979年] 現代の名工として労働大臣表彰、[1983年] ニューメキシコ州立大学での作陶指導を開始(以降20回渡米)、[1987年] 第34回日本伝統工芸展にて文部大臣賞を受賞(青白磁彫文鉢)、[1995年] 重要無形文化財「白磁」保持者(人間国宝)に認定、[1997年] 紫綬褒章を受章、[2002年] 西日本文化賞を受賞、[2003年] 旭日中綬章を受章、[2005年] 有田町名誉町民となる、[2025年] 7月14日逝去(96歳)
  • 作品収蔵実績:東京国立博物館、東京国立近代美術館(国立工芸館)、愛知県美術館、佐賀県立九州陶磁文化館、東広島市立美術館、他
  • 制作年代:1991年〜1995年 頃(推定)
  • 商品状態:目立つ欠け・割れはありません。釉面および高台に極小の点が数か所あります(画像参照)
  • 付属品:共箱(蓋表「白磁 水滴」、蓋裏「井上萬二 作」署名・朱印)、栞
  • 材質:磁器(有田焼・白磁)
  • 寸法:高さ 約 8.0 cm、幅(注口含む)約 8.0 cm、胴径 約 6.8 cm、口径 約 1.0 cm、高台径 約 3.7 cm
  • 注意:当店が提供する商品は新品未使用であっても生産時期が大変古いものであり、すべて中古品として掲載しています。商品には経年によるダメージがある場合がありますので、ご理解及びご確認の上で購入をご検討ください。

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