瀬戸市指定無形文化財 陶芸灰釉技法保持者 太子窯 鈴木八郎 作 伊羅保 茶盌 和のロックグラス 米国メトロポリタン美術館出陳作家 藤井達吉師事 #458
瀬戸市指定無形文化財 陶芸灰釉技法保持者 太子窯 鈴木八郎 作 伊羅保 茶盌 和のロックグラス 米国メトロポリタン美術館出陳作家 藤井達吉師事 #458
近代工芸の巨匠・藤井達吉氏に師事し、官展(文展・日展)13回入選をはじめ、米国の美の殿堂であるメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)への出陳という快挙を成し遂げた愛知県瀬戸市赤津・太子窯(綵自庵)の名工、鈴木八郎(すずき はちろう、1905年–1985年)による手ひねり伊羅保茶盌(いらぼ ちゃわん)です。太平洋戦争末期の1944年から1945年にかけて陶芸研究のため満州へ渡航した経歴を持つ鈴木氏は、日本六古窯の一つである瀬戸・赤津焼の伝統的な釉薬技術を基盤としながら、師・藤井達吉から受け継いだ洗練された図案美と現代的な造形精神を融合させ、昭和の瀬戸陶芸界において一線を画す作品を生み出しました。付属する専用桐共箱の蓋表に「伊羅保 茶盌」の直筆銘、蓋裏に「八郎作」の落款・朱印が施されており、同封された栞(作歴)に1962年創設の「日本現代工芸美術展 五回入選」と記されていることから、第5回展が開催された1966年以降、すなわち作風と技術が極まった1960年代後半(昭和40年代前半)に制作された真作と特定されます。
本作品に用いられている「伊羅保(いらぼ)」とは、16世紀から17世紀の朝鮮王朝時代に作られ、茶の湯の器として日本へ渡来した高麗茶碗の一種に由来します。砂気が多く含まれた粘土によるざらざらとした素地肌の手触りが「いらいら(ザラザラしている様子)」していることからその名がついたとされ、鉄分を含んだ釉薬が薄くかかった素朴で渋みのある表情を特徴とします。鈴木氏は瀬戸・赤津の土と釉薬を用いてこの伊羅保のざらついた質感と黄褐色から褐色に及ぶ静謐な発色を忠実に再現しつつ、胴部から腰にかけて師・藤井達吉譲りの幾何学的な「かまぼこ彫り(段彫り)」を水平・格子状に彫り込むことで、独自のモダンな立体表現へと昇華させています。器体外側および内側には、黄褐色と濃褐色の釉薬が流動的な層をなし、光の当たり具合によって深く複雑な陰影を描き出します。高台から高台脇にかけてはあえて釉薬をかけず、伊羅保特有の粗く素朴な素地(露胎)を露出させており、高台脇の露胎部には鈴木氏の作品であることを示す刻印が鮮明に捺されています。
外径約12.8cm、高さ約8.3cmという重厚でゆったりとした手仕事の寸法を持つ本作品を、当店では現代の上質なライフスタイルや洋酒文化に合わせ、大ぶりのロックアイスを浮かべてヴィンテージウイスキーや古酒、熟成日本酒、あるいはプレミアムスピリッツを愉しむための格調高い「和のロックグラス(和の酒器)」としてご提案いたします。伊羅保特有のざらりとした素肌と段彫りの立体的な凹凸が指先に触れる心地よい手触りや、注がれた琥珀色の酒液が器内の深い黄褐色と褐色のグラデーションに美しく映える視覚的効果は、特別な晩酌の時間を格段に深めます。メトロポリタン美術館出陳という国際的評価と瀬戸赤津の伝統、そして近代工芸の図案美が結実した逸品であり、鑑賞と実用の双方で日本の工芸美の神髄を堪能できる名品です。
- 作者: 鈴木 八郎(すずき はちろう、1905年 - 1985年)
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作者の代表的な活動歴: [1944年] 陶芸研究のため満州へ渡航、[1962年・1984年・1988年] 紺綬褒章を受章、[1975年] 第一回穴窯作陶展を開催(以降多数開催)、[1981年] 羊歯文様大鉢が瀬戸市永年保存作品に指定、[1988年] 瀬戸市指定無形文化財「陶芸灰釉技法」保持者に認定
- 作品収蔵実績: 米国メトロポリタン美術館、愛知県美術館、愛知県陶磁美術館、一宮市博物館、碧南市藤井達吉現代美術館、瀬戸市
- 制作年代: 1960年代後半(昭和40年代前半)
- 商品状態: 非常に良い(欠けなし、割れなし)
- 付属品: 専用桐共箱(蓋表に「伊羅保 茶盌」自筆墨書・蓋裏に「八郎作」落款・朱印あり)、作歴栞あり
- 材質: 陶器(瀬戸赤津土・伊羅保釉・段彫加飾)
- 寸法: 外径 約 12.8 cm、高さ 約 8.3 cm
- 注意: 当店が提供する商品は新品未使用であっても生産時期が大変古いものであり、すべて中古品として掲載しています。経年による変化についてご理解の上で購入をご検討ください。
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