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日展特選 黄綬褒章受章作家 吉田 丈夫 作 クリスタル面取り線刻文酒盃 『光の彫刻」各務クリスタル在籍時のモダンクラフト精神が宿る光の酒器 #139

日展特選 黄綬褒章受章作家 吉田 丈夫 作 クリスタル面取り線刻文酒盃 『光の彫刻」各務クリスタル在籍時のモダンクラフト精神が宿る光の酒器 #139

通常価格 ¥35,000 JPY
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昭和から平成のガラス工芸界を代表する巨匠であり、現代の名工としても名高い吉田丈夫(1916年-2002年)によって手掛けられたこのクリスタル酒盃は、素材が持つ極めて高い純度と、光の屈折を巧みに操る独自の造形哲学が凝縮された至高の一品です。吉田丈夫の作芸の原点は、1939年の東京美術学校工芸科漆工部卒業という、日本の伝統美の根幹をなす漆芸の修得にありました。在学中の1938年には経緯工芸同人として活動し第3回実在工芸美術展で受賞、卒業後の1943年には第6回新文展に入選するなど伝統工芸の若き旗手として頭角を現し、1947年には型々工芸集団を結成して銀座の和光で第1回展を開催しました。大きな転機となったのは1949年の各務クリスタル製作所への入社であり、ここから漆工で培われた形態への峻厳な眼差しが、透明な硝子という新たな素材へと注がれることになります。1952年には創作工芸協会の結成に参加して資生堂ギャラリーで第1回展を出品し、翌1953年には第9回日展にて特選を受賞。さらに1956年の日本デザイナー・クラフトマン協会の結成や、1959年のクラフト・センター・ジャパン設立委員への就任など、戦後日本のモダンクラフト運動の黎明期を文字通り牽引しました。その先進的な足跡は、神奈川県立近代美術館での近代工芸の百年展や渋谷の東横での現代美術10年の傑作展への選出が歴史的に物語っています。

後半生においては伝統工芸の美をさらに深め、1974年に労働大臣より現代の名工として表彰されたのを皮切りに、日本伝統工芸展にて東京都知事賞や日本工芸会保持者賞などの最高賞を重ねました。その至高の技術と芸術性は、1986年の黄綬褒章受章、1988年の代表作である伊達瓢の国立工芸館所蔵、1992年の勲五等瑞宝章受章という一連の国家的顕彰によって不動の評価を得ています。吉田丈夫の造形哲学の根底にあるのは、派手な装飾や新技法の誇示ではなく、クリスタルガラスという無垢な素材そのものといかに真摯に向き合い、その透明さと光の構造を引き出すかという命題でした。余計な装飾を排した幾何学的な構成が、素材の持つ固有の美しさを極限まで際立たせています。

特に目を惹くのは、台座部分に施された重厚な彫刻的な面取りです。ガラスの塊から光を鋭く削り出したかのようなシャープなカッティングは、作家の代名詞とも言えるデザイン様式であり、彼が終生追い求めた光の構造を形にするという造形美を見事に体現しています。また、本作の大きな見どころは、台座の厚みがある底部の中心に、一点の丸い気泡が意図的に閉じ込められている点にあります。不純物を極限まで排した空間に配されたこの一粒の空気は、周囲の面取りカットによって反射した光を中心へと集め、まるで銀色の宝石のような神秘的な輝きを放ちます。酒を注ぐボウル部分は端正な円筒型を成していますが、その底部を覗き込むと、流れる水や風を彷彿とさせる繊細な線刻模様が確認でき、硬質なクリスタルの中に柔らかなニュアンスを添えています。共箱に記された力強い丈夫作の署名と落款は、素材の真価を問い続けた作家の誇りを象徴しています。

当店では、この日本のガラス工芸史に不滅の足跡を刻んだ巨匠の傑作を、単なる酒盃としてだけでなく、最高峰のジャパニーズウイスキーや時を経て深みを増した熟成古酒の魅力を五感で引き出すための特別な器として提案いたします。作品は手元に収まる小振りなサイズながら、実際に手にした際にはクリスタル特有の心地よい重みと確かな質量感が掌に厳かに伝わります。琥珀色の古酒を注ぎ込めば、底部の一粒の気泡がその色彩を透過・反射し、光そのものをデザインの一部として取り込んだ吉田丈夫の卓越した感性を、日々の贅沢な時間のなかで直接堪能していただけます。国内外の市場でも滅多に出会うことのできない、歴史的価値と実用美を兼ね備えたモダンクラフトの結晶です。

  • 作者吉田 丈夫(よしだ たけお、1916年-2002年)
  • 作者の代表的な活動歴:[1938年] 経緯工芸同人として第3回実在工芸美術展受賞、[1939年] 東京美術学校工芸科漆工部卒業、[1943年] 第6回新文展入選、[1947年] 型々工芸集団結成、[1949年] 各務クリスタル製作所入社、[1952年] 創作工芸協会結成に参加、[1953年] 第9回日展特選受賞、[1956年] 日本デザイナー・クラフトマン協会結成に参加、[1957年] 近代工芸の百年展(神奈川県立近代美術館)等に出品、[1959年] クラフト・センター・ジャパン設立委員就任、[1974年] 現代の名工として労働大臣表彰を受賞、[1977年] 第24回日本伝統工芸展初入選、[1981年] 第28回日本伝統工芸展にて東京都知事賞受賞、[1986年] 黄綬褒章受章、[1990年] 通商産業大臣賞(伝統工芸産業優秀技術者表彰)受賞、[1992年] 勲五等瑞宝章受章、[1995年] 第42回日本伝統工芸展にて日本工芸会保持者賞受賞
  • 作品収蔵:国立工芸館(独立行政法人国立美術館、旧・東京国立近代美術館工芸館)、郡山市立美術館など。
  • 制作年代:1980年代(推定)
  • 状態:非常に良い(欠けなし、割れなし)
  • 付属品:専用木箱
  • 材質:手吹き硝子、クリスタル
  • 寸法:高さ 約 8cm、横幅 約 3.5cm 
  • 注意:当店が提供する商品は新品未使用であっても生産時期が大変古いものであり、すべて中古品として掲載しています。商品には経年によるダメージがある場合がありますので、ご理解及びご確認の上で購入をご検討ください。

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