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内田泰秀 晩年成熟期の傑作、失われた幻の技法「表裏貫通錦練上手」陶製ロックグラス2点セット #158

内田泰秀 晩年成熟期の傑作、失われた幻の技法「表裏貫通錦練上手」陶製ロックグラス2点セット #158

通常価格 ¥130,000 JPY
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昭和陶芸史において「孤高の伝説」と称される陶芸家、内田泰秀。1970年の大阪万博での絶賛や、名門フランス国立セーブル製陶所での研鑽を経て、彼は日仏の美意識を融合させた独自の境地へと到達しました。本作は、内田氏の技法が円熟味を帯び、まさに頂点へと向かおうとしていた1977年(昭和52年)7月に制作された、表裏貫通錦練上手(ひょうりかんつうにしきねりあげ)の作品です。共箱の裏には「昭和五十二年七月二十四日、無形文化財」の墨書があり、長年の研鑽が土の一粒一粒にまで練り込まれた、歴史的重みを感じさせる一対となっております。

本作の絵柄は、一見すると筆で描かれたもののようにも見えるかもしれません。しかし、この作品の真の驚きは、その色彩と模様が一切の顔料による絵付けではないという事実にあります。これは失われた幻の技法「表裏貫通錦練上手(ねりあげで)」によるものです。異なる金属酸化物を混ぜ合わせて色付けした粘土を、緻密な計算に基づいてパズルのように組み合わせ、模様そのものを土の構造として作り上げているのです。異なる色の粘土は焼成時の収縮率がそれぞれ違うため、接合部から割れるリスクが極めて高く、釉薬で誤魔化すことも許されません。通常、これほど多色を使い、複雑な文様を編み込んだ作品は焼成時にその多くが割れてしまいますが、内田氏はセーブルで培った卓越した技術により、混濁のない鮮やかな発色と堅牢な仕上がりを実現しました。

作品の表面には焼成時に発生する独特の変色も見られますが、内田氏の作品においては決して欠点ではありません。それは、過酷な高熱の中で異なる粘土同士が激しく引き合い、融合し、一つの「個」へと昇華した戦いの痕跡です。炎の揺らぎが写り込んだようなその表情は、工業製品にはない工芸品ならではの「景色」であり、むしろこの作品が過酷な焼成を耐え抜いた一点物であるという、揺るぎない証でもあります。また、最大の特徴である「表裏貫通」は、外側の複雑な文様が一点の狂いもなく内側、そして底面に至るまで完全に貫通して表裏のない形をしています。これは土の層が完璧に重なり合っている証拠であり、被爆地・広島出身である内田氏の「表裏のない平和への願い」が、この至高の構造美には込められているのです。

当店では、この日本における歴史的傑作を単なる湯飲みとしてではなく、作品の格に見合った「最高級のウィスキー・ロックグラス」としてご提案いたします。手に取れば伝わる、練り上げられた土の重厚感と、指先に触れる緻密な文様の凹凸。琥珀色のウィスキーを注ぎ込んだ瞬間、内側にまで貫通した幾何学的な文様が液体の中で万華鏡のように揺らめき、グラスの底に新たな絶景が広がります。五十年近い歳月を経てなお色褪せない情熱と、美酒が溶け合う時間は、単なる晩酌を超えた贅沢な文化的特権となるでしょう。

  • 作者:内田 泰秀(うちだ やすひで、1893~1997年)
  • 作者の代表的な活動歴: [1952年] 三越日本橋本店にて「内田泰秀氏錦練上手作陶展」を開催、 [1960年代] フランス国立セーブル製陶所(Manufacture nationale de Sèvres)にて色彩・磁器技術を習得、 [1965年] 三次市無形文化財に指定、 [1970年] 大阪万博(EXPO'70)にて作品展示、 [1973年] 広島県重要無形文化財の保持者として認定。
  • 制作年代: 1977年(昭和52年)7月 ※共箱裏に「昭和五十二年七月二十四日、無形文化財」の墨書あり。
  • 状態: 非常に良い(欠けなし、割れなし)
  • 付属品: 専用木箱、包布(署名・落款入り)
  • 材質: 錦練上手(陶器、表裏貫通技法)
  • 寸法: [大] 高さ約7.5cm、口径約7.4cm / [小] 高さ約7cm、口径約6cm
  • 注意: 当店が提供する商品は新品未使用であっても生産時期が大変古いものであり、すべて中古品として掲載しています。商品には経年によるダメージがある場合がありますので、ご理解及びご確認の上で購入をご検討ください。

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