藤田 潤 作 手吹硝子 大振りぐい呑 人気作家の稀少な酒器作品 #161
藤田 潤 作 手吹硝子 大振りぐい呑 人気作家の稀少な酒器作品 #161
藤田潤氏(ふじた じゅん、1951年~)氏は、学習院大学文学部哲学科を卒業した後の1979年からガラス制作を開始した、現代日本のガラス工芸界を牽引する作家の一人です。藤田氏は1980年代から千葉県展での県展賞など数々の賞を受賞し、1996年には日本のガラス展にてブリヂストン美術館賞、2001年には国際ガラス展・金沢において最高賞である金賞を掌中に収めるなど、その華やかな経歴は国内外の美術界で高く評価されています。氏の作品は、東京国立近代美術館や横浜美術館といった国内の権威ある美術館だけでなく、デンマークのエベルトフト・ガラス美術館やスイスのローザンヌ市工芸美術館、ブラジルのサンパウロ美術館など、世界各地の美術館に収蔵されており、その芸術性は国際的な広がりを見せています。
本作は、1995年から1996年頃の充実した活動期に制作された手吹き硝子のぐい飲みで、直径約8.7センチ、高さ約6センチという、実用と鑑賞の両面で優れた調和を見せる一品です。藤田氏の真骨頂である手吹きの技法を駆使し、硝子が持つ柔らかな質感と流麗なフォルムを見事に引き出しています。作品の中央には高貴な輝きを放つ金彩が帯状に施され、底部に差された鮮やかなブルーの色彩とクリアな硝子の対比が、見る者に清涼感と深い品格を感じさせます。
技術的特異性は、異なる熱膨張係数を持つ硝子と金箔を、摂氏1200度を超える溶解状態において分子レベルで一体化させる熱管理能力にあります。手吹き硝子において、成形中の急激な温度降下は金彩の剥離や硝子自体の内部歪みを招くため、徐冷炉での精密な温度プログラム管理が不可欠であり、本作に見られる金彩の密着度と輝きは、その工程が完璧に遂行されたことを示しています。意匠面では、底部の色硝子と上部のクリア硝子を接合するポンテ作業において、境界線の歪みを最小限に抑えつつ、手吹きならではの揺らぎを残すという、作為と無作為の高度な均衡が保たれています。金彩は単なる表面装飾ではなく、硝子の肉厚を透過した光が金箔に反射し、再び硝子層を通り抜けることで生じる多重反射を計算に入れて配置されており、これが本作独特の重厚な金属光沢と硝子の軽快な透明感の共存を可能にしています。
作家自身の署名と印が刻まれた専用の共箱と、氏の歩みを記した栞が揃った完品の状態であり、米国コーニング・ガラス美術館の専門誌に作品が収録されるなど世界が注目した藤田氏の美学が、この小さな空間に凝縮されています。国際交流基金や国内外の美術館が本作を収蔵するのは、単なる工芸的な美しさだけでなく、物質の物理的特性を極限まで引き出し、20世紀末の日本が到達したガラス工芸の構造的な完成度を象徴しているためです。
- 作者:藤田 潤(1951年~)
- 作者の代表的な活動歴:[1988年] 千葉県展県展賞受賞、[1996年] ’96日本のガラス展にてブリヂストン美術館賞、[1999年] 日本現代ガラス・能登島にて銀賞、[2001年] 国際ガラス展・金沢にて金賞、など
- 作品収蔵:東京国立近代美術館、国際交流基金、横浜美術館、エベルトフト・ガラス美術館(デンマーク)、ローザンヌ市工芸美術館(スイス)、サンパウロ美術館(ブラジル)の他
- 制作年代:1995年~2000年(推定)
- 状態:非常に良い(欠けなし、割れなし)
- 付属品:専用箱、栞 あり
- 材質:手吹き硝子、金彩
- 寸法:直径約 8.7cm、高さ約 6cm
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