岩田 久利 作 洋酒加水用 マザーウォーター・ピッチャー 「瑠璃の雫」 #163
岩田 久利 作 洋酒加水用 マザーウォーター・ピッチャー 「瑠璃の雫」 #163
岩田久利(1925–1994)氏は、1950年に東京美術学校を卒業して以来、日展文部大臣賞や日本芸術院賞といった国内最高峰の栄誉を掌中にしてきた現代ガラス工芸の巨匠です。その作品はメトロポリタン美術館やパリ装飾美術館、ニューヨークおよびコーニングのガラス美術館など、世界の主要な芸術機関に収蔵されており、工芸をファインアートの域へと昇華させた存在として国際的に高く評価されています。本作は、1992年に常磐津文字兵衛氏が重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されたことを祝し、岩田氏が深い敬意を込めて特別に制作した記念碑的な瑠璃の小片口であり、氏の円熟期における美学と友情の物語が結実した稀少な一品です。
技術面における特異性は、異なる色彩のガラス層を溶解状態で一体化させる被せガラスという極めて難易度の高い技法に集約されています。異なる熱膨張係数を持つガラスを分子レベルで接合するには、冷却過程での破損を避けるための精密な物理計算と、1200度を超える高温域での瞬時の判断力が要求されます。特に本作に見られる深い瑠璃色の器体にクリアな縁を滑らかに融合させた造形は、ガラスが最も美しい流動性を見せる瞬間を捉える高度なホットワーク技術の証明であり、工業製品では決して到達し得ない生命感あふれる揺らぎを宿しています。
視覚的には、厚みのあるガラスを透過する光が内部で複雑に屈折し、サファイアのような深い青が角度によって多彩な表情を見せるのが特徴です。当店ではこの格調高い一点を、最高級ウィスキーの香りを解き放つためのマザーウォーター(加水用)ピッチャーとして提案いたします。手に馴染む絶妙なサイズ感は、琥珀色の液体に数滴の純水を添えるという静謐な儀式にふさわしい品格を備えています。瑠璃色の水面に反射する光と、そこから注がれる一滴の雫がウィスキーの奥深き香りを引き出す瞬間の演出は、世界が認めた岩田氏の芸術によって、日常を離れた至高のひとときへと昇華されることでしょう。
- 制作元:岩田久利工房
- 作者:岩田 久利(1925–1994)
- 作者の代表的な活動歴:[1976年]日展文部大臣賞受賞、[1982年]日本芸術院賞受賞
- 作品収蔵:東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、北海道立近代美術館、日本芸術院、ニューヨーク・メトロポリタン美術館、ニューヨーク・コーニング美術館、デュッセルドルフ美術館、パリ装飾美術館、など
- 制作年代:1992年 頃(推定)
- 状態:非常に良い(欠けなし、割れなし)
- 付属品:専用箱、栞 あり
- 材質:手吹き硝子
- 寸法:直径約 10.9 cm、高さ約 6.8 cm、奥行き約 9 cm
- 注意:当店が提供する商品は新品未使用であっても生産時期が大変古いものであり、すべて中古品として掲載しています。商品には経年によるダメージがある場合がありますので、ご理解及びご確認の上で購入をご検討ください。
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