内田 泰秀 晩年成熟期の傑作、失われた幻の技法「表裏貫通錦練上手」陶製ショットグラス #168
内田 泰秀 晩年成熟期の傑作、失われた幻の技法「表裏貫通錦練上手」陶製ショットグラス #168
昭和陶芸史において「孤高の伝説」と称される陶芸家、内田泰秀(1893~1997)。1970年の大阪万博での絶賛や、名門フランス国立セーブル製陶所での研鑽を経て、日仏の美意識を融合させた独自の境地へと到達した彼が、その長い生涯の中で辿り着いた晩年成熟期の傑作が、この小ぶりなショットグラスです。本作は、内田氏の代名詞でありながら、現代では失われた幻の技法「表裏貫通錦練上手(ひょうりかんつうにしきねりあげ)」によって制作されています。
一見すると精緻な筆致で描かれた幾何学文様のように見える色彩は、一切の顔料による絵付けではありません。これは、異なる金属酸化物を混ぜ合わせて色付けした粘土を、緻密な計算に基づいてパズルのように組み合わせ、文様そのものを土の構造として作り上げるという、驚異的な手間と技術を要するものです。異なる色の粘土は焼成時の収縮率がそれぞれ違うため、接合部から割れるリスクが極めて高く、釉薬で誤魔化すことも許されません。内田氏がセーブルで培った色彩技術と、土の一粒一粒までコントロールする執念が、この混濁のない鮮やかな発色と堅牢な仕上がりを実現させています。
最大の特徴である「表裏貫通」の名の通り、外側の緻密な文様は一点の狂いもなく内側、そして底面に至るまで完全に貫通し、文字通り表裏のない構造をしています。これは土の層が完璧に重なり合っている証拠であり、被爆地・広島出身である内田氏が込めた「表裏のない平和への願い」が、この至高の構造美へと昇華されています。底面には内田氏の真作であることを示す「泰」のサインが刻まれており、内田作品特有の粘土を幾重にも織り込んで作った、力強くくっきりとした土の層を指先で感じることができます。
当店では、この歴史的価値を有する傑作を、最高級のウィスキーやスピリッツを味わうためのショットグラスとしてご提案いたします。高さ4.2cm、径4.9cmという手に収まる絶妙なサイズ感は、美酒を少量ずつ、その芳醇な香りと共に愉しむのに最適です。琥珀色の液体を注いだ瞬間、内側にまで貫通した万華鏡のような文様が液体の中で揺らめき、グラスの底に幻想的な景色が広がります。付属品こそありませんが、作品そのものが放つ圧倒的な存在感と、五十年近い時を経てなお色褪せない情熱は、所有する喜びと共に、晩酌のひとときを特別な文化的儀式へと変えてくれるでしょう。
- 作者:内田 泰秀(うちだ やすひで、1893~1997年)
- 作者の代表的な活動歴:1960年代にフランス国立セーブル製陶所にて色彩・磁器技術を習得。1970年大阪万博に出品、1973年に広島県重要無形文化財「錦練上手」の保持者に認定。
- 作品収蔵:広島県をはじめ、国内外の工芸収集家に「伝説の作家」として珍重されている。
- 制作年代:晩年成熟期(1970年代後半~80年代)
- 状態:非常に良い(欠けなし、割れなし、泰のサインあり)
- 付属品:なし(本体のみ)
- 材質:錦練上手(陶器、表裏貫通技法)
- 寸法:高さ約 4.2cm、口径約 4.9cm
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