林九郎 作 金襴手染錦 大灰皿 古伊万里様式の再興 波佐見焼の至宝 #176
林九郎 作 金襴手染錦 大灰皿 古伊万里様式の再興 波佐見焼の至宝 #176
最高峰のシングルモルトを揺らし、立ち上るシガーの煙を燻らす——。そんな至福の刻を完成させるのは、単なる道具としての器ではなく、それ自体が揺るぎない物語を持つ「舞台」であるべきです。波佐見焼の異端児として昭和43年(1968年)に産声をあげた「林九郎窯(りんくろうがま)」による、直径約25cmという圧倒的なスケールの磁器製灰皿は、まさに東西の贅沢が交差する瞬間にこそ相応しい逸品です。
林九郎窯は、石丸陶芸株式会社が400年の波佐見焼の伝統に、江戸時代の王侯貴族を魅了した「古伊万里様式」の美学を注ぎ込むことで誕生しました。本作に施された「染錦(そめにしき)」と贅沢な金彩の競演は、西洋で「オールド・イマリ」と称えられた絢爛豪華な金襴手の世界を現代に鮮やかに蘇らせています。染付の深い藍を静寂の海に見立て、そこに鮮やかな赤絵と黄金の筆致が躍動する意匠は、25cmという広大なキャンバスがあるからこそ実現した、磁器による極彩色の叙事詩といえるでしょう。
この東洋の様式美を極めた大灰皿は、西洋の嗜みであるシガーとウィスキーの文化に、驚くほど深く共鳴します。重厚な灰皿の縁に横たわるプレミアム・シガー。その褐色の葉と、器に描かれた黄金の唐草文様が重なり合うとき、そこには時代を超越したオリエンタル・ラグジュアリーの悦楽が漂います。制作時期は、日本が最も熱気に満ちていた1970年代から80年代と推察されますが、当時の成功者たちが求めたこの圧倒的なスケール感は、現代においても大ぶりのシガーの灰を優雅に受け止め、ゆったりとした時間を演出するのに最適な機能を備えています。
熟成された琥珀色のウィスキーを傍らに、シガーを燻らしながらこの万華鏡のような絵付けを眺める。それは、日常のストレスを炎とともに消し去り、精神を豊穣な美の世界へと誘う儀式に他なりません。林九郎窯が追求した「高品質なやきもの」への矜持が詰まったこの作品は、単なる喫煙具の枠を大きく超え、和と洋、静と動が完璧に調和する特別なライフスタイルの中心を飾るに相応しい、稀有なコレクションピースです。
- 制作元: 林九郎窯(石丸陶芸株式会社)
- 制作元(作家)の代表的な受賞歴や活動歴: [1968年] 長崎県波佐見町にて石丸陶芸株式会社により創設。400年の歴史を持つ波佐見焼の伝統技術を基盤に、江戸時代の「古伊万里様式」を現代に蘇らせた独自の作風を確立。染錦や金襴手(きんらんで)を用いた絢爛豪華な意匠により、贈答用高級磁器の分野で国内外から高い評価を受け、波佐見焼における「高級装飾磁器」の地位を不動のものとした。
- 制作年代: 1970年代後半〜1980年代(推定)
- 状態: 非常に良い(欠けなし、割れなし)
- 付属品: 専用木箱あり
- 材質: 磁器(染錦・金襴手)
- 寸法: 直径 約 25.0 cm、高さ 約 5.0 cm(推定)
- 特記事項: 製作上の微細な絵付けの飛び、金彩のわずかな擦れなどはありますが、特筆すべき制作後のダメージは見当たりません。
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