ベルギー万博グランプリ受賞作家 走泥社同人 熊倉 順吉 作 緑釉窯変鉢 小料理皿 #295
ベルギー万博グランプリ受賞作家 走泥社同人 熊倉 順吉 作 緑釉窯変鉢 小料理皿 #295
近代日本の前衛陶芸界において伝説的な足跡を残した巨匠、熊倉順吉(くまくらじゅんきち、1920-1985)による鉢作品です。熊倉順吉は大正9年に京都に生まれ、昭和60年に没した、戦後の日本陶芸史を牽引したパイオニアです。京都市立第一工業学校建築科および京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)図案科でモダニズムデザインと建築的構造表現を徹底的に学んだ後、陶芸の道へと進みました。京都の松斉陶苑にて福田力三郎に師事し、さらに近代陶芸の巨匠であり人間国宝の富本憲吉のもとで創作精神を叩き込まれました。富本憲吉から受け継いだ「模様から模様を作らない」という厳格なモダニズム思想と、自身のデザイン・建築的背景が融合したその作風は、当時の陶芸界において異彩を放ちました。1957年には、八木一夫や鈴木治らが結成した伝説の前衛陶芸家集団である「走泥社」に参加して同人となり、中心的なメンバーとして日本の陶芸界の頂点に君臨しました。1958年のベルギー・ブリュッセル万国博覧会でのグランプリ受賞や、1962年のチェコスロバキア・プラハ国際陶芸展での銀賞受賞など、その芸術性は国際的にも高く評価され、作品は東京国立近代美術館や京都国立近代美術館などに公的収蔵されています。
本作は、熊倉順吉が最も高く評価されている伝統釉のモダン化という卓越した技法と意匠が明確に表れた傑作です。器の表面には、深海の豊かな変化をそのまま閉じ込めたかのような、美しく壮大な風景と景色が広がっています。この深みのある鮮やかな緑釉の窯変は、伝統的な釉薬を用いながらも、作家が若き日に培ったグラフィックデザイン的な感性によって現代的な表現へと昇華されたものです。流動的な釉薬の揺らぎと、緻密にコントロールされた色彩のグラデーションが三次元的な奥行きを生み出し、静謐な土の上にまるで抽象絵画のようなドラマを描き出しています。走泥社の他のメンバーが器であることを完全に否定した純粋オブジェへと向かう中で、熊倉順吉は器としての用途や形態の美しさを保ちながら、どこまで前衛的な表現を拡張できるかという独自の芸術思想を貫きました。本作の端正なフォルムと圧倒的なテクスチャーの融合には、その空間的・建築的な知性が遺憾なく発揮されています。生涯の作陶期間が短く、主要な作品の多くが公立美術館に収蔵されているため、民間市場に流通する本物の数は極めて限られており、世界的なコレクターズアイテムとしての希少性も非常に高い逸品です。
直径18.5cmという絶妙なサイズ感を持つこの鉢を、当店では現代のライフスタイルに合わせ、日本の伝統美を愉しむジャパニーズコウゲイ作品としてご提案いたします。特に、歳月を経て深いコクと香りを纏った古酒を嗜む際の、煮物などの小料理皿やおつまみ皿として最適です。伝統と前衛が交錯する圧倒的な海の景色は、盛り付けた料理を格調高く引き立て、古酒の芳醇な味わいと共に五感を満たす贅沢な時間を演出します。一切の妥協なく美を追求し続けた巨匠の精神が宿るこの器は、日常の食卓に確かな品格と唯一無二の存在感をもたらす至高のモダンピースです。
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作者: 熊倉 順吉(くまくら じゅんきち、1920年-1985年)
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作者の代表的な活動歴: [1955年] 第1回日本陶磁協会賞受賞、[1957年] 前衛陶芸家集団「走泥社」に参加し同人となる、[1958年] ベルギー・ブリュッセル万国博覧会にてグランプリ受賞、[1962年] チェコスロバキア・プラハ国際陶芸展にて銀賞受賞
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作品収蔵実績: 東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、滋賀県立陶芸の森、岐阜県現代陶芸美術館、など
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製作年代: 1970年代〜1980年代(走泥社同人としての円熟期)
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商品状態: 非常に良い(欠けなし、割れなし)
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付属品: 専用共箱、包布、栞 あり
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材質: 陶器(緑釉窯変)
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寸法: 高さ 約 0.0 cm(詳細未計測)、経口 約 18.5 cm
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