人間国宝 三浦小平二 生家の窯 佐渡 むみょうい常山 小平窯 窯作品 窯印「小平」 盃 三客揃 高台杯・筒形、和のショットグラス #488
人間国宝 三浦小平二 生家の窯 佐渡 むみょうい常山 小平窯 窯作品 窯印「小平」 盃 三客揃 高台杯・筒形、和のショットグラス #488
本品は、新潟県佐渡の窯元「むみょうい常山 小平窯(こへいがま)」の盃三客揃です。小平窯は、青磁の分野で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された陶芸家、三浦小平二氏の父である三浦小平氏が創始した窯です。付属の栞では、三浦小平二氏が同窯の二代として紹介されています。ただし本品は、三浦小平二氏本人の作品であると断定できるものではなく、小平窯の作品としてご紹介するものです。各盃の底には「小平」の窯印が押されています。木箱は蓋表に「盃」の墨書と朱の角印、蓋裏に「佐渡」に始まる墨書と「小平」の朱印があり、窯の由来を記した栞が添えられています。
本品を小平窯の作品とする理由は、窯印と箱の印にあります。美術館に収蔵されている三浦小平二氏の作品の記録には、底に「小平二」の銘が記された例があります。また当店の確認では、三浦氏本人の作品の陶印は「小」、箱書に用いられる印は「小平二」です。これに対し本品の陶印と箱の朱印はいずれも「小平」で、三浦氏本人の作品に用いられる印とは異なります。付属の栞は窯の由来と当主の経歴を紹介するもので、個々の器の作者を示すものではありません。
付属の栞によると、窯の名に冠された「むみょうい(無名異)」は、佐渡鉱山の金銀坑中から産出する酸化鉄の一種の鉱土で、古来、中国や日本で霊薬として用いられてきたものです。明治十一年、初代三浦常山氏がこの土を用い、それまで軟質であったものを改良して硬質の朱紫泥焼(無名異焼)を創始しました。三代常山氏の代には、佐渡の産業として国内外に広く進出しました。三代常山氏の子である初代小平氏は家業を受け継ぎつつ美術絵画の研究に進み、初代常山氏の本名「小平次」にちなんで小平窯を創始しました。
小平窯の二代にあたる三浦小平二氏は1933年、現在の新潟県佐渡市相川に、佐渡無名異焼の三浦小平氏の長男として生まれました。1951年に東京芸術大学美術学部彫刻科に入学し、彫刻家の平櫛田中氏の指導を受けました。在学中には仲間と陶磁器研究会をつくり、加藤土師萌氏に師事して、同大学で最初の窯を築いています。父の勧めで京都の製陶会社や岐阜県陶磁器試験場でも陶技を基礎から学びました。その後、母校で副手や非常勤講師を務めながら、制作の目標を灰釉陶器から鈞窯、さらに青磁へと定めていきました。
三浦氏の評価を決定づけたのは、1976年の第23回日本伝統工芸展で文部大臣賞を受けた「青磁大鉢」です。生地である佐渡の朱泥土の素地を轆轤で薄く挽き上げ、明るい青白色の青磁釉をたっぷりと掛けた作品で、1972年に台北の故宮博物院で行った宋代青磁の調査をきっかけに、朱泥土の使用を思い立ったとされています。三浦氏は東アフリカやアフガニスタンをはじめアジア・アフリカ各地を旅し、その風物を青磁に色絵で描く独自の作風を確立しました。
その後も、1993年に日本陶磁協会賞金賞、1994年にMOA岡田茂吉賞工芸部門大賞を受賞しました。1995年には第42回日本伝統工芸展で「青磁飾壺『寺院』」が日本工芸会保持者賞を受け、1996年に紫綬褒章を受章しています。1997年には、佐渡市の資料によれば青磁の分野で初めてとなる重要無形文化財保持者に認定されました。教育者としては、1990年に東京芸術大学教授となり、2000年に同大学名誉教授、文星芸術大学陶芸科主任教授に就任しています。2006年に日本橋三越と新潟三越で「作陶50年 人間国宝三浦小平二展」を開催し、同年10月3日に73歳で逝去しました。三浦氏の作品は、国立工芸館(東京国立近代美術館)、京都国立近代美術館、新潟県立近代美術館、愛知県陶磁美術館、東京藝術大学大学美術館に収蔵されているほか、没後に遺族から佐渡市と東京都国立市にも寄贈されています。
三客はいずれも轆轤で成形された赤褐色の素地に施釉した作りで、高台まわりは釉が掛からず、赤褐色の土肌が露出しています。大小二客の盃は、大きく開いた杯部を高い高台で支える形です。外側には艶を抑えた緑灰色からオリーブ色の釉が掛かり、口縁は濃い鉄色で縁取られています。内側は乳白色の釉で、細かな貫入が入っています。大きい方の盃は外側が褐色味の強い色調です。小さい方の盃は、外側の釉の薄い部分に赤みを帯びた色が帯状に表れています。筒形の盃は胴の中ほどがくびれた形で、外側の緑灰色の釉に濃い褐色の濃淡が重なり、内側は乳白色の釉です。
三浦小平二氏の代表作に見られる淡い青白色の青磁釉や色絵の文様は、本品には用いられていません。一方、赤褐色の素地の上に釉を掛けるという構成は、小平窯の朱紫泥焼の系譜と、三浦氏が朱泥土の素地に青磁釉を掛けて展開した仕事に通じる要素です。
制作年代については、付属の栞が手がかりになります。栞では三浦小平二氏が人間国宝、東京芸術大学名誉教授、文星芸術大学教授として紹介され、「国際的に活躍しています」と現在形で記されています。名誉教授と文星芸術大学教授への就任が2000年、逝去が2006年であることから、栞は2000年から2006年の間に作成されたものと判断できます。本品はこの栞とともに伝わったものです。
古酒やウイスキーをストレートで少量ずつ味わうための和のショットグラスとしてご提案いたします。形の異なる三客がそろっているため、銘柄ごとに使い分けたり、飲み比べに用いたりすることもできます。
欠けや割れはありません。一部の盃の見込みには、貫入に沿った薄い着色が見られます。筒形の盃の底には窯印の横に土粒状の小さな突起があり、外側には小さな黒点があります。詳細は画像にてご確認ください。
- 作者:むみょうい常山 小平窯(こへいがま)※二代は三浦小平二(みうら こへいじ、1933-2006)。本品は三浦小平二氏本人の作品とは断定できない窯作品です
- 作者の代表的な活動歴(二代 三浦小平二氏):[1933年] 新潟県佐渡郡相川(現・佐渡市)に生まれる、[1955年] 東京芸術大学美術学部彫刻科卒業、[1976年] 第23回日本伝統工芸展 文部大臣賞(青磁大鉢)、[1990年] 東京芸術大学教授、[1993年] 日本陶磁協会賞金賞、[1994年] MOA岡田茂吉賞工芸部門大賞、[1995年] 第42回日本伝統工芸展 日本工芸会保持者賞、[1996年] 紫綬褒章、[1997年] 重要無形文化財「青磁」保持者(人間国宝)認定、[2000年] 東京芸術大学名誉教授・文星芸術大学陶芸科主任教授、[2006年] 作陶50年 人間国宝三浦小平二展(日本橋三越・新潟三越)、同年逝去
- 作品収蔵実績(三浦小平二氏の作品):国立工芸館(東京国立近代美術館)、京都国立近代美術館、新潟県立近代美術館、愛知県陶磁美術館、東京藝術大学大学美術館、佐渡市、国立市
- 制作年代:2000年〜2006年頃(付属の栞の記載内容による)
- 商品状態:非常に良い(欠けなし、割れなし)
- 付属品:専用共箱、包布、栞 あり
- 材質:陶器(赤褐色の素地・施釉)
- 寸法:(大)高さ 約4.8cm、口径 約 5.9cm/(筒形)高さ 約 3.8cm、口径 約 4.5cm/(小)高さ 約 3.7cm、口径 約 5.5cm
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